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『三毒史』は東京事変再生の伏線だった?

おはようございます。こんにちは。こんばんは。

トリコです。

 

2020年元日、東京事変が再生することを発表しました。

彼らが再生後初めて出したMV『永遠の不在証明』(https://www.youtube.com/watch?v=zKBCSBfP9TI)に登場するのが、豚の巨大風船と鶏が打ち上げる花火。

実はこれ、椎名林檎が昨年リリースしたアルバム『三毒史』に収録されていた楽曲『鶏と蛇と豚』のMV(https://www.youtube.com/watch?v=u77yCRwSCXg)に登場していたものだったんです。

事変とソロのMVが世界観を共有していたのはかなり衝撃的でしたし、興味深いなと思ったので、今回は『三毒史』と「東京事変再生」にどのような関係性があるのか、考察していこうと思います。

 

 

三毒とは

そもそも『三毒史』のモチーフとなっている"三毒"とは何なのでしょうか。

三毒とは、

仏語。人の善心を害する3種の煩悩 。貪(とん)・瞋(しん)・痴(ち)。

引用 : https://dictionary.goo.ne.jp/word/ 三毒

「貪」は貪り、「瞋」は怒り、「痴」は愚かさを表しています。また、それぞれの煩悩を象徴する動物が鶏、蛇、豚であるの考えられている訳です。

『鶏と蛇と豚』では、

Aメロでは甘い蜜を独占しようという「貪り」が、

Bメロではその蜜が毒だったのではないかという「怒り」が、

サビでは物事の分別が付かなくなり、自分しか信じられなくなってしまっている「愚かさ」が描かれています。

 

孔雀と豚と新宿の目

第2期東京事変のシンボルは孔雀。

実は、仏教に於いて、三毒を喰らい浄化する存在とされているのが「孔雀明王」なんです。

つまり、『鶏と蛇と豚』では、三毒が東京を侵食していく様子が描かれているのに対し、『永遠の不在証明』では、東京事変が三毒を喰らい、東京を救う様子が描かれている、ということです。

 

更に言うと、『鶏と蛇と豚』のMV中にも、既に事変の活躍が描かれているシーンがあるようにも思います。それが、豚が風船を手放し、風船が宙に昇っていくシーン。このシーンで、MV序盤で消えた東京中の電気が、豚の風船が上昇するとともに再度点灯していっています。

このシーンから、豚は風船を持っていないと三毒としての役目を果たせないのだと考えられますが、MVでは豚が自ら風船を手放している様子が映し出されています。つまり、豚が事変を前にして諦めてしまい、退治されたことを表しているのではないか、と考えられる訳です。

 

また、『鶏と蛇と豚』では灯りが消えてしまった新宿の目ですが、『永遠の不在証明』では一瞬ですが点灯しているシーンが映ります。それも、事変がやっていたことで新宿の目を中心とする東京の街が救われたことを暗に示唆しているのではないでしょうか。

 

蛇がいない理由

『鶏と蛇と豚』では、マーチングバンドを率いて花火を打ち上げる鶏、ねぶたに乗って日本橋川から現れる蛇、巨大風船を携えて闊歩する豚が登場しますが、『永遠の不在証明』には蛇だけ登場しません。

これには2つほど理由を考えてみました。

 

1つ目は、孔雀はもともと毒蛇を喰らうものして崇められていたから、というもの。既に蛇は事変によって喰われたと考えると、登場しないことにも合点がいきます。

 

2つ目は、孔雀明王は明王の中で唯一忿怒相を持たないから、というもの。他の明王と違って怒りを知らない孔雀明王、真っ先に「怒り」の象徴である蛇を喰らったと考えることもできます。

 

まあ単純に製作上の問題で登場させることが難しかった、ってことも考えられますけどね。というかこれが最有力かもしれないですけど。()

 

 

 

ということで、椎名林檎『鶏と蛇と豚』と東京事変『永遠の不在証明』の関係について考察してみました。

椎名林檎は『三毒史』リリースの際のインタビューで、

だいぶ前から“三毒”をテーマにしたアルバムを作りたいと思っていました

引用 : 椎名林檎「三毒史」インタビュー|デビューから20年経て向き合った、人類共通の“三毒” (3/3) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

と語っています。この「だいぶ前」から、事変再生への伏線として逆算してすべて作られていたとしたら、もう彼女のセルフプロデュース力の高さに恐怖すら感じてしまいますね。

東京事変、また何時活動が終了するかもわからないので、其れ迄目一杯味わっておきたいもんです。

 

ばい。