トリコのお気に入り

映画、音楽、時々ドラマとゲーム。

神が憑依しているサクラップ曲トップ10

はじめまして。こんにちは。こんばんは。

トリコです。

 

実は自分、ファン歴10数年の嵐ファンなんですけど、新曲が出るたびにまず確認するのがサクラップ(櫻井翔のラップ)があるかどうかなんです。でも最近のシングル曲はラップがある曲少ないんですよね、、。めちゃめちゃカッコいいのに。

サクラップはリリックが素晴らしいんですよ。ある時期からはすべての楽曲のラップ詞を彼自身が手掛けているんですけど、さすが名門大卒、ボキャブラリーが豊富で韻の踏み方が綺麗なんですよね。

是非もっと多くの方に櫻井翔のラップがいかにカッコいいのかということを知っていただきたくてこの記事を書くことにしました。

一つ言っておきたいのは自分はHIP HOP畑で育ったわけでもなんでもなくラップに関してはズブの素人ですのでその点はご了承ください。

 

ということで、おすすめサクラップ曲10曲紹介していきます。

今回はランキング形式で発表してみようかなと思います。(完全に独断です)

それぞれの名パンチラインとともにどうぞ。

 

 

第10位 BRAVE

2019年9月11日リリース、57thシングル『BRAVE』収録。

後ろへ放る 明日へのball

頂上で合流 夢の道中

これヤバくないっすか。

だって普通「明日へのball」って言ったら前へ投げたくなりませんか?じゃあなんで「後ろへ放る」なのか。実はこの楽曲、「日本テレビ系ラグビー2019」のイメージソングなんです。つまり、ラグビーの応援歌だってことが知って漸く「後ろへ放る」の意味が理解できるんです。タイアップ先に寄せるどころか、さらにそれを生かして完璧なパンチライン生み出しちゃうんですよね。天才です。

 

第9位 イン・ザ・ルーム

2015年10月21日リリース、14thアルバム『Japonism』収録。

意識の外 溢れ出す浴槽

嗚呼とうとう uncontrollable

曝け出す本能

エロい。リリックから声から何から何までエロい。

「溢れ出す浴槽」と英単語1個で韻踏めちゃうのやっぱり頭の作りが違う。

 

第8位 Believe

2009年3月4日リリース、25thシングル『Believe / 曇りのち、快晴』、

2009年8月19日リリース、ベストアルバム『5×10 All the BEST! 1999-2009』収録。

空の向こう越えるための この人生の抑揚

あの頃の未来向かい 時代に期待せずも進むmy life

この曲のラップは前半と後半で内容が変わってくるのですが、前半では、何のために生きてるのか分からずに苦しむ心情が書かれているのに対し、後半はそれでも前を向いていくしかないとポジティブに描かれています。

 

第7位 COOL & SOUL

2006年7月5日リリース、6thアルバム『ARASHIC』、

2009年8月19日リリース、ベストアルバム『5×10 All the BEST! 1999-2009』収録。

 アイドル タイトル奪い取る 快速

"マイク持つアイドル大国"奪い取る

 まだ嵐が本格的にブレイクする前で、彼らの野心がリリックに滲み出ている楽曲。

今の嵐を見ると実際に「アイドル大国」奪い取って有言実行しているの本当にカッコいいし、グッときますね。

 

第6位 「未完」

2017年10月18日リリース、『「untitled」』収録。

 暗闇から光

"僕らが拓いていく時代"

なんてあの頃はいきがり

いま、夢の先の未来

最新オリジナルアルバムのリード楽曲。

今の嵐だからこそ書ける詞。それこそいきがってた「あの頃」ってのが恐らく上で紹介した『COOL & SOUL』の時期であったりすると思うんで、 そういう意味でも嵐の歴史、成長を感じる一曲です。

 

第5位 let me down

2010年8月4日リリース、9thアルバム『僕が見ている風景』収録。

このままオールナイトロング ha ha

it's妄想なのまた

うわのそらのまま

Don't let me down girl

 「Don't let me down girl」の声が神懸ってる。

兎に角これは聴いて欲しい。上の試聴では聴けないのが残念なんですけど、、。

 

第4位 Lucky Man

呼ばれて 飛び出て ジャジャジャジャーン!!! で

毎回氾濫する様な 回覧板班並みにマジ早い情報収集

凝固 吸収して… 「満タンcarなんだ。」

ライブでのコール&レスポンスが盛り上がりまくる、サクラップを語る上では絶対外せないこの曲。正直詞は全然意味わかんないんですど聴いていて気持ち良いし、楽しい気分になれる楽曲です。

 

第3位 Tell me why

2014年10月22日リリース、13thアルバム『THE DIGITALIAN』収録。

 

笑いあう日もあったね

"バカね…"とつぶやき泣いた目

それじゃあまた逢えたらね

"またね"

No…please back again

この曲が一番盛り上がるのはイントロでもなくサビでもなくラップだと思います。

嵐の数多くのラップの中で一番感情が逼迫しているような歌い方で、聴いていると涙腺を刺激されます。

 

第2位 T.A.B.O.O

2010年8月4日リリース、9thアルバム『僕が見ている風景』収録。

二回のwink

額とリンク

左を見る

"しないの?キス"

光閉じる

未開の地図

蜂の巣の奥の蜜

言わずと知れた超人気曲。ソロ曲入れるとバランスが難しくなりそうだったのでソロ曲はできるだけランキングに入れないようにしたんですが、この曲はもう紹介せざるを得ませんでした。

どエロ曲。「蜂の巣の奥の蜜」て。ジャニーズ大丈夫か。

 

第1位 マダ上ヲ

2010年8月4日リリース、9thアルバム『僕が見ている風景』収録。

"なぁ…

もう二人でどこか隠れよう"

ゆるやかにslow うなずくまつ毛(oh)

月の射す窓

わずかに顔

ほとんどが見えずにshadowなの…(嗚呼)

 

また天井が傾く

身体が心を欺く(たかぶる)

唇が足りず…してもしても

理性をリセット

It's too late

1位なので全部書いちゃいました。『僕が見ている風景』好きすぎるだろ、っていう突っ込みは置いといて、この曲をこういうランキングで1位に選ぶのって珍しいんじゃないでしょうか。この曲は嵐ファンでもノーマークの方が結構多そうなイメージです。

でもこれめちゃめちゃカッコいいんですよ。ノーマークだった方にも、もう一度聴き直してみていただきたいなと思います。特に「shadowなの」のところ。完全に神が憑依してます

 

 

 

はい、ということでトリコ的サクラップ曲トップ10をお届けしました。

嵐の活動休止が迫っている今だからこそ、少しでも多くの方にサクラップの魅力について知っていただけたなら幸いです。

 

ばい。

millennium parade、今からでも遅くないです

おはようございます。こんにちは。こんばんは。

トリコです。

 

皆さん、常田大希と言う天才ご存じですか。

King Gnuのギタリストで、且つ全楽曲のソングライティングを手掛けてらっしゃる方ですね。

 

簡単に彼の凄さを説明すると、

 

Srv.Vinch(King Gnuの前身バンド)時代 

常田大希「めちゃめちゃカッコいい曲作ってんのに売れへんなー。」

米津玄師「日本じゃサビがないと売れないよ。」

常田大希「そうなんや、じゃあサビ入れよー。」

メジャーデビュー

 

こんなあっさりメジャーデビューしてしまうだけでも十分凄いんですけど、

 

メジャーデビュー1年目

常田大希「そろそろ大ヒットかましたいなー。売れそうな曲作ろ。」

大ヒット曲『白日』リリース

同年、NHK紅白歌合戦出場

 

いやもう大天才の所業

メジャーデビュー1年目でストリーミング累計再生数2億回突破する楽曲作っちゃうのちょっとおかしい。しかも、それが「なんか偶然ヒットしたわーラッキー♪」とかじゃなく完全にそれを狙いに行って成功しちゃってるんだからもう何も言えない。正真正銘の天才。

 

とりあえず自分がKing Gnu好きになったきっかけのばちくそかっこいい曲貼っときますね。

https://youtu.be/RLAw8Ct9k48

 

イントロからめっちゃカッコ良くないですか?いきなりのカラーバーとテストトーンからの、サイレンが鳴り響き、ドラムが入ってきて、まだかまだかと待つこと10秒、やっと来ましたギターの「とぅるっとぅるっとぅ」。最初の15秒だけでお腹一杯になれるぐらいカッコいい。自分音楽の専門的な知識はないですけど、そんな素人でも初聴きでビビッと来ました。いやーほかにもたくさん紹介したいKing Gnuの曲はあるんですけど、、。

 

ごめんなさいこの記事King Gnuについてじゃないんですよ。

もちろんKing Gnuもめっちゃめっっちゃカッコいいんですけど、今日紹介したいのはそんなKing Gnuの仕掛け人、常田大希が昨年立ち上げたプロジェクト、「millennium parade(ミレパ)」なんです。

 

 

millennium paradeとは

先ほども述べた通り、常田大希のプロジェクトであるミレパ。

もうこれめちゃめちゃカッコいいんですよ。

昨年の5月22日にローンチパーティー(初ライブ)が開催されたんですけど、その模様が下の記事、ツイートに書かれています。

これを読めば「millennium parade」の方向性、世界観は掴めると思います。

highsnobiety.jp

 

プロジェクトメンバーに関しては、

ミュージシャンもそうだし、映像チームも演出チームも全部込みでバンドっていう動き方をしていこうと思ってるから、そういう意味ではサーカス団じゃないけど大編成のバンドみたいなイメージ

引用 : King Gnu常田大希が語る新プロジェクトの未来と哲学 | HIGHSNOBIETY.JP(ハイスノバイエティ)

ということらしく、このような体制で常田大希の哲学とも言える"トーキョー・カオティック"を表現しているミレパ。

ボーカルが流動的なのが面白いなと個人的には思っていて、現在発表されている楽曲に参加しているボーカリストはermhoi、Charaの2名。2人とも独特で魅了的な声の持ち主で、ミレパの世界観の構築にめちゃめちゃ貢献していると思います。

因みに、4月22日にリリースされる楽曲『Fly with me』にはermhoiに加え、HIMI、Cota Mori、Kento Nagatsuka(WONK)の4名がボーカリストとして参加していることが発表されています。

 

 

昨年の4月5日に新曲『Veil』のMVを公開するとともに始動した「millennium parade」。

ここからはリリース順に、楽曲とその魅力を紹介していこうと思います。

 

Veil

1stシングル、2019年5月22日リリース

https://youtu.be/5lqLU6OoSNA

「millennium parade」第一弾の楽曲。

ここで自分が衝撃を受けたのがermhoiの浮遊感溢れる歌声。敢えて感情を殺し切っているような淡々とした不思議な歌声がインパクト抜群で新プロジェクトの1stシングルとしてこれ以上ないような楽曲。

 

Plankton

2ndシングル、2019年6月28日リリース

https://youtu.be/f4RO5fnO_0g

前作『Veil』の無機質な雰囲気とは打って変わって繊細で切なく、生命の尊さを感じさせる2ndシングル。

MVのモチーフは「ノアの方舟」の伝説。

 

Stay!!!

3rdシングル、2019年9月27日リリース

https://youtu.be/TSrXH_WMDUY

ミレパのボーカリストはermhoi固定なのかと思わせといて突然大物シンガーCharaをぶっこんで来た3rdシングル。

前2作と比べるとかなりキャッチ―でMVもコメディ色強め。ケツアゴ気になる、、。

 

lost and found

4thシングル、2019年12月6日リリース

https://youtu.be/nO2BuaA74Kg

ミレパ始動開始からの1年間の集大成とも言うべき4thシングル。

純粋に「良い曲」だし、ラスト30秒の盛り上がりの高揚感、爽快感が半端ない。聴いていてただただ気持ち良くて幸せになれる楽曲。これぞミレパの真骨頂

この楽曲、Diorとのコラボレーション動画にも起用されています(凄い)。

https://youtu.be/9w6fQZUYsFc

 

Fly with me

5thシングル、2020年4月22日リリース予定

『攻殻機動隊 SAC_2045』のオープニングとして書き下ろされた新曲。

今回主題歌に決定したmillennium paradeのFly with meという曲は、
攻殻機動隊 SAC_2045の主題歌であると同時に俺たち自身の主題歌でもある。
そのくらい愛着と思い入れのあるこの楽曲が、攻殻機動隊の一端を担える事をとても幸せに思います。

引用 : MUSIC | 攻殻機動隊 SAC_2045 公式サイト

と語られるこの楽曲、「millennium parade」の歴史に於いてのマイルストーンとなること間違いなしです。

 

 

以上、リリース予定の新曲を含めた6曲を紹介しました。

ここからさらなる快進撃を見せてくれるであろう「millennium parade」。

まだ間に合います

是非注目されてみては如何でしょうか。

 

ばい。

『ジョーカー』と『パラサイト』、どっちが重い? 

おはようございます。こんにちは。こんばんは。

トリコです。

 

2019年年末から2020年年始にかけて、ある2本の映画が日本で公開され、話題的にも興行的にも大成功を収めました。

ジョーカー』と『パラサイト 半地下の家族』です。

 

 

この2本、実は歴史的にとても意義のある快挙を成し遂げた作品だったんです。

 

『ジョーカー』は、映画賞にはあまり好まれないと言われるアメコミ映画作品ながらヴェネチア国際映画賞の最高賞である金獅子賞を受賞し、これはアメコミ映画史上初の快挙でした。アカデミー賞では最多11部門でノミネートされ、作曲賞、主演男優賞の2部門で受賞を果たしました。

『パラサイト』は、韓国資本のみで製作された純粋な韓国映画であるのにも関わらず、カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを受賞し、アカデミー賞では全6部門でノミネートされ、作品賞、脚本賞、国際長編映画賞、監督賞の最多4部門で受賞を果たしました。アジア映画がアカデミー作品賞を受賞するのは史上初の快挙でした。

 

このように数多くの快挙を成し遂げた両作品なのですが、観る人によって、

「『ジョーカー』の方が重かった。」や、

「『パラサイト』の方が重かった。」など感想が両極端に綺麗に分かれているような印象を受けます。

同じ「経済格差」をテーマとしていることもあり、よく比較されることの多い両作品ですが、どうしてこのような差が生じたのか、その理由を考察していこうと思います。

 

 

舞台

ジョーカー

舞台は架空の都市、ゴッサムシティ。

主人公のアーサーは、この貧富の格差が拡大し続ける架空の都市で、病気の母親を介護しつつ、貧しく悲惨な生活を送る精神病患者です。

パラサイト

舞台は韓国。

主人公家族、キム一家は、「半地下」と呼ばれるところに住んでいる貧しい一家。

韓国では「半地下」で暮らしている人は未だに39万人存在すると言われています。

比較

『ジョーカー』のアーサーには頼れるような友人や家族もおらず、終始孤独。

対して『パラサイト』のキム一家はなんだかんだ楽しく、仲睦まじく暮らしています。

この違いが、次で述べる物語の構成の差異に大きく関わってきます。

 

ストーリー構成

ジョーカー

アーサーは物語序盤からどん底の生活を送っていますが、病気の母親を介護したり、バスで乗り合わせた少年を笑わせようとしたりと、コメディアンを夢見る心優しい男性でした。

ですが、社会保障を打ち切られ、仕事も首になり、社会にも行政にも見放されてしまい自暴自棄になっているところで、リンチしてきた男たちを勢い余って殺害してしまいます。ここで彼の内に秘められていた悪意が覚醒してしまうことになります。

少しずつ信徒を増やし、成り上がっていったアーサーは、遂に有名テレビ番組にピエロのメイクで出演し、生放送中にその司会者を射殺してしまいます。こうして彼はゴッサムシティの貧困層を暴徒化させ、彼らに英雄のように讃えられながら新たなカリスマとして生まれ変わるのでした。

参考 : 映画『ジョーカー』ネタバレあらすじ結末|映画ウォッチ

パラサイト

キム一家は金持ち家族、パク一家に寄生する計画を企て、家庭教師や家政婦、運転手として彼らに雇われます。その計画が順風満帆に進み、一家ウハウハ状態なのが物語の前半。

彼らのせいで追い出された元家政婦が帰ってきてから彼らの最高な生活に暗雲が立ちこめ始めます。実はその豪邸の地下には元家政婦の夫が隠れて暮らしていたのですが、その夫婦に自分たちが「半地下の家族」であることがバレてしまいます。そのことがパク一家にもバレることを恐れたキム一家はこの2人を地下に閉じ込めます。

後日、パク一家の息子の誕生日パーティーが豪邸で行われ、キム一家も招待されるのですが、運良く地下から脱出できた元家政婦の夫が、本来同じ貧しい身分でありながら良い暮らしをしていることへの妬みから、キム一家の娘を殺害します。それを見たキム一家の母親がなんとか元家政婦の夫を殺害するのですが、その元家政婦の夫の臭いを嗅いで後ずさりしたパク一家の父親を、普段から彼に臭いのことを気にされていたキム一家の父親が衝動的に殺害してしまいます。

そしてキム一家の父親は隠れるために自ら豪邸の薄汚い地下室に立てこもり、その息子はいつかその豪邸を買い取って父親を救出することを決意するのでした。

参考 : 映画『パラサイト 半地下の家族』ネタバレあらすじ結末|映画ウォッチ

比較

この2作品には、2つの大きな違いがあります。

1つ目は、まず『ジョーカー』は性善説、『パラサイト』は性悪説に則ってストーリーが描かれているということ。

キャラクター設定として『ジョーカー』はアーサーがもともと善人として描かれていて、だんだん悪の道に逸れていってしまう様子を描いています。つまり、アーサーが壊れていってしまう様に観客は同情し、また、状況によっては自分も「ジョーカー」に成り得るかもしれないことに気付かされてしまうのです。

対して『パラサイト』のキム一家は、初めから犯罪にノリノリであったり、元家政婦夫婦を簡単に地下に監禁したりと、倫理観が欠如している一家として描かれています。したがって、観客は無意識の内に彼らを「自分とは違う人種」だと捉え、彼らがどのような報いを受けようと「自業自得だしな」と思ってしまえるのです。

 

2つ目は、ストーリー展開が真逆だということです。

『ジョーカー』のアーサーの序盤のどん底の状態から、少しずつ信者を増やしていき、最終的にカリスマとして崇められ、映画が終了します。

それに対して、『パラサイト』は序盤は半分コメディのような感じで明るく楽しめますが、後半は急転直下で現実を突きつけられ、そのまま救われないまま物語が終了してしまいます。

つまり、『ジョーカー』は観客に最後の最後にカタルシスを感じさせ、そのまま映画が終了するのに対し、『パラサイト』は物語の前半は楽しく盛り上げますが、その後はひたすら現実を突きつけたまま終了する後味の悪い作品になっているのです。

 

こうして考えてみると、1つ目の要素(性善説・性悪説)を重視する観客は『ジョーカー』の方が重かったと感じ、2つ目の要素(後味の良さ・悪さ)を重視する観客は『パラサイト』の方が重かったと感じることになるので、評価が大きく二分したことにも合点がいくような気がします。

 

まとめ 

色々グダグダと書きましたが、結局は観客によって重視するポイントが違い、それによってジョーカー派とパラサイト派に分かれたのだろう、という結論に至りました。

まあ人によって映画に求める者も違って当たり前だし感想も異なって当たり前だとは思うのですが、そんな当たり前のことに気づけた良い機会でした。

 

個人的には好きなのは『パラサイト』、重かったと感じたのは『ジョーカー』です。

 

意見、感想など色々コメントもお待ちしております。

 

ばい。

 

名作しかない映画スタジオ、サーチライト・ピクチャーズ

おはようございます。こんにちは。こんばんは。

トリコです。

 

「サーチライト・ピクチャーズ」(元「FOXサーチライト・ピクチャーズ」)というスタジオをご存じでしょうか。

映画ファンの皆さんは勿論、そこまで映画に詳しくないよーっていう方でも「20世紀フォックス」(現「20世紀スタジオ」)という名前は一度は耳にしたことがあるのではないのでしょうか。

「サーチライト~」はこの「20世紀スタジオ」の姉妹会社で、『シェイプ・オブ・ウォーター』や『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』など、数多くのアカデミー賞受賞作品を送り出してきたスタジオなんですが、本当に作品が質の高いものだらけなんです。

そこで、この記事ではこのスタジオがどんな名作を生み出してきたのか、公開順に6本紹介していきたいと思います。

 

 

リトル・ミス・サンシャイン

2006年公開、100分

原題 : Little Miss Sunshine

監督 : ジョナサン・ディトン、ヴァレリー・ファリス

出演 : スティーヴ・カレル、アビゲイル・ブレスリン、アラン・アーキン

受賞 : 第79回アカデミー賞 脚本賞、助演男優賞

 

ドタバタ家族のコミカルでハートフルなロードムービー。

アビゲイル・ブレスリン演じるオリーブの無邪気で天真爛漫な姿には自然と笑顔にさせられます。

個人的MVPはアラン・アーキン演じるおじいちゃん。

負け犬っていうのは、負けるのが怖くて挑戦しないやつらのことだ。

この言葉を受けて立ち上がるオリーブたちに、観客は心を動かされ胸を打たれる筈です。

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ブラック・スワン

2011年公開、108分

原題 : Black Swan

監督 : ダーレン・アロノフスキー

出演 : ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス

受賞 : 第83回アカデミー賞 主演女優賞

 

レクイエム・フォー・ドリーム』、『マザー!』のダーレン・アロノフスキー監督。

終始不気味な雰囲気が漂っていて、細かい演出で観る者を不安にさせる。

特徴的なのが幻覚の描写で、白鳥のように足の指同士がくっついてしまっているシーンなんかは強烈な印象を残します。

ナタリー・ポートマンの鬼気迫る演技にも注目。

filmarks.com

 

スリー・ビルボード

2018年公開、115分

原題 : Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

監督 : マーティン・マクドナー

出演 : フランシス・マクドーマンド、サム・ロックウェル、ウディ・ハレルソン

受賞 : 第90回アカデミー賞 主演女優賞、助演男優賞

一番好きな映画です。

主人公は娘をレイプされた挙句に殺されてしまった母親ミルドレッド。彼女がいつまで経っても犯人を捕まえない警察に愛想をつかし、警察を告発する内容の3つの広告を出します。そこからミルドレッド、警察署長ウィロビー、その部下の警察官ディクソンの3人を軸に物語が進んでいきます。

人間は、簡単に善悪に分けることなどできないし、はっきり白黒つけることなどできない。でもだからこそ人間は面白いんだろうなと思います。

この作品については後日、1つの記事にして深く考察してみようかなと思ってます。

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ある女流作家の罪と罰

 2018年(日本未公開)、106分

原題 : Can You Ever Forgive Me?

監督 : マリエル・ヘラー

出演 : メリッサ・マッカーシー、リチャード・E・グラント

日本では劇場公開されずビデオスルーされてしまった作品。勿体ない。めちゃめちゃ良い作品なのに。

メリッサ・マッカーシー演じる作家が50代を過ぎて売れなくなり、著名人の手紙を偽造し売る、という犯罪に手を染めていってしまうという物語なんですが、実はこれ実話なんです。リー・イスラエルという実在した作家が、この経験をもとに書いた自伝がヒットして映画化されたのですが、元々は本が売れないから道を外れてしまったのに、なんとも皮肉な結果だなあと。

メリッサ・マッカーシーの演技、素晴らしいです。この女性、ひたすら憎らしくて性根も腐っていて、とても好きになんてなれそうもない感じがするのですが、その奥に垣間見える人間味や哀愁が上手く醸し出されていて知らぬ間に感情移入しちゃってました。

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女王陛下のお気に入り

2019年公開、120分

原題 : The Favourite

監督 : ヨルゴス・ランティモス

出演 : オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト

受賞 : 第91回アカデミー賞 主演女優賞

ヨルゴス・ランティモス、また変わった監督ですね。『ロブスター』、『聖なる鹿殺し』など、どこか不気味で不穏で、でもどこか可笑しい癖ありまくり作品を作り出してきた監督の作品ですが、今作も例に漏れずとことんシュールなコメディです。

18世紀の英国を舞台に、アン女王の寵愛をめぐった側近2人の「女のバトル」。厭らしほど女の嫌なところ満載で、それが傍から見るととても滑稽で笑えてきます。

実はこのブログ名もこの作品タイトルから頂いちゃったりしてます。

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ジョジョ・ラビット

2020年公開、109分

原題 : Jojo Rabbit

監督 : タイカ・ワイティティ

出演 : ローマン・グリフィン・デイビス、タイカ・ワイティティ、スカーレット・ヨハンソン、サム・ロックウェル

受賞 : 第92回アカデミー賞 脚色賞

今作は今年日本で公開され、かなりヒットしたので記憶にも新しいんじゃないかなと思います。監督は『マイティ・ソー バトルロイヤル』で『マイティ・ソー』シリーズを救ったことでお馴染みタイカ・ワイティティ。今作ではヒトラー役も務めています。

10歳の子供目線で描かれる反戦映画。ワイティティ監督らしくコメディチックに明るく、でも芯はブレないようしっかり描かれていて、辛い出来事も沢山起きますが、それらを乗り越えていくジョジョの姿に胸を打たれます。そういう面では、上で紹介した『リトル・ミス・サンシャイン』と通ずる部分もあるのかもしれません。

filmarks.com

 

 

以上、サーチライト・ピクチャーズで製作された映画を6本紹介しました。

こう見ると本当に質の高い作品を多く世に送り出してきてくれているスタジオなんだなと実感しました。ここでは紹介できませんでしたが、他にも『スラムドッグ$ミリオネア』や『グランド・ブダペスト・ホテル』、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』など、数多くの名作が作られていますので、是非こちらの方もご覧になってみては如何でしょうか。

こうして1つのスタジオに絞って映画を見ていくとまた面白い発見があるのではないかと思いますし、このような新たな映画の楽しみ方を皆さんに提案できたのなら良いなと思います。

 

ばい。

 

ライブハウスや映画館を守るために、今我々にできることとは。

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。

トリコです。

 

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、緊急事態宣言も出され、2020年4月現在不要不急の外出自粛が求められています。このような状況下で窮地に立たされているのが、「ライブハウス」や「映画館」(特にミニシアター)です。

現在数多くのライブハウスや映画館が余儀なく休業、閉店に追い込まれてしまっており、これは文化的側面から見ても大変残念なことですし、日頃からライブハウスや映画館を利用していた自分も遣る瀬無い思いでいっぱいです。

そこで、日頃からライブハウスや映画館などの文化施設のお世話になっている我々が、今だからこそ彼らの力になれる方法はないのか、またそのような取り組みは行われているのか、自分なりに調べてみました。

何かしら行動を起こしてみたいけど何をすればいいか分からない、という方に是非読んでいただければと思います。

 

 

#SaveOurSpace

ライブハウスや劇場、クラブなどの文化施設が生き残るためのベストな解決策は国からの助成金を得ることです。そのために、助成金交付を求める署名活動として立ち上げられたのがこの「#SaveOurSpace」。賛同人には坂本龍一氏や、コムアイ氏などが名を連ね、4月2日には302,536筆の署名とともに、助成金を求める要望書を提出した、ということです。

こちらの取り組みはひと段落ついたようなのですが、以後の経過も注視していこうと思います。

 

#SaveTheCinema

 

f:id:Trico_Favourite:20200409145324j:plain

引用 : https://drive.google.com/file/d/1mH8xnmzE2SKVQ6n-RXCYQhuuR-X6-3pe/view

このような署名活動における最優先事項は活動の知名度を上げることです。「署名はちょっと、、」という方、沢山いると思いますが、せめて以下のツイートをリツイートして頂けたりしたら幸いです。

一人一人の小さな力の積み重ねが、大きな力につながると信じています。

www.change.org

 

「仮設の映画館」

配給会社東風がインターネット上に開設した「仮設の映画館」。

5月2日より想田和弘監督最新作の『精神0』が、劇場公開と並行してこちらのサイトからデジタル配信されます。

公開終了後などに行われる一般的な配信とは異なり、観客は観に行きたい映画館を選択、その劇場に料金も分配される仕組み

引用 : 想田和弘監督作『精神0』、〔仮設の映画館〕にて公開へ 「『映画の経済』の非常事態を乗り切る」|Real Sound|リアルサウンド 映画部

観客は鑑賞料金1,800円を支払うと、選択した映画館、配給会社、製作者に分配されるとのことで、在宅で直接的ににお金を落とせるという意味では画期的で面白い取り組みだなあと思います。

www.temporary-cinema.jp

 

クラウドファンディング

これはもうかなり一般的ですね。

インターネットを通して、直接的に個人や団体に支援をすることができ、支援額に見合ったリターン(報酬)を受け取ることができます。

実際にクラウドファンディングを既に行い、多額の支援を受け取っている団体も数多く見られます。

↓こちらのプロジェクトは4月10日現在で1,300人強もの方が支援しており、目標金額の約2.5倍も支援金が集まっています。

camp-fire.jp

 

 

ということで、本記事ではライブハウスや映画館などの文化施設を守るための取り組みについて述べてきました。

繰り返しにはなってしまいますが、一人一人の力は僅かでも、それが積み重なれば大きな結果に繋がる筈です。

この国が、文化が、無事この未曽有の事態を切り抜けてくれることを願ってます。

 

ばい。